妊娠中は、葉酸や鉄分に目が向きやすい一方で、カルシウムも意識したい栄養素のひとつです。
カルシウムというと、骨や歯のための栄養素というイメージがある方も多いと思います。妊娠中も、赤ちゃんの成長と自分自身の健康を支えるために、毎日の食事から取り入れていきたい栄養素です。
ただし、カルシウムだけを多く摂ればよいわけではありません。たんぱく質、リン、ビタミンA・C・Dなどを含む食品も含めて、食事全体を整えることが大切です。
この記事では、妊娠中にカルシウムを意識したい理由と、日常の食事で取り入れやすい食品、サプリを使うときの注意点を整理します。
妊娠中はカルシウムも意識したい栄養素
カルシウムは、骨や歯の健康に関わる栄養素として知られています。
妊娠中は、赤ちゃんの成長を支えるためにも、自分自身の体を整えるためにも、食事からカルシウムを意識して摂ることが大切です。
こども家庭庁の「妊娠中と産後の食事」では、生まれてくる赤ちゃんの骨や歯を丈夫にするためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質、リン、ビタミンA・C・Dを含む食品をバランスよくとることが大切だと説明されています。
つまり、カルシウムを意識することは大切ですが、カルシウムだけを見ればよいわけではありません。
妊娠中の食事では、カルシウムを含む食品を取り入れながら、主食・主菜・副菜を基本にして、食事全体のバランスを整えることが大切です。
カルシウムを含む主な食べ物
カルシウムを含む食品には、乳製品、小魚、大豆製品、青菜類などがあります。
乳製品では、牛乳、ヨーグルト、チーズなどが取り入れやすい食品です。朝食や間食にも使いやすく、毎日の食事に加えやすい点があります。
小魚では、しらす、煮干し、小魚の佃煮などがあります。ただし、塩分が多いものもあるため、食べる量や頻度には注意しましょう。
大豆製品では、豆腐、納豆、厚揚げ、豆乳などがあります。たんぱく質も一緒に摂りやすい点が特徴です。
青菜類では、小松菜、チンゲン菜、春菊などがあります。野菜からカルシウムを摂れるだけでなく、ビタミンや食物繊維も一緒に摂りやすくなります。
カルシウムを摂る方法は、牛乳だけではありません。自分の食生活に合わせて、複数の食品から取り入れると続けやすくなります。
乳製品を取り入れるときの工夫
乳製品は、カルシウムを取り入れやすい食品です。
朝食にヨーグルトを加える、間食にチーズを少量食べる、牛乳を料理に使うなど、日常の中で取り入れやすい方法があります。
たとえば、シリアルや果物にヨーグルトを組み合わせる、スープやシチューに牛乳を使う、パンにチーズを合わせるといった方法です。
一方で、牛乳が苦手な方や、お腹がゆるくなりやすい方もいます。その場合は、無理に牛乳だけで摂ろうとせず、ヨーグルト、チーズ、大豆製品、小魚、青菜類などを組み合わせるとよいでしょう。
妊娠中は、食べられるものや体調に個人差があります。自分が続けやすい食品から取り入れることが大切です。
大豆製品や青菜類も活用する
カルシウムを意識するときは、乳製品以外の食品も活用できます。
豆腐、納豆、厚揚げ、豆乳などの大豆製品は、カルシウムだけでなく、たんぱく質も摂りやすい食品です。
たとえば、味噌汁に豆腐を入れる、納豆を朝食に加える、厚揚げを煮物や炒め物に使うなど、普段の食事に取り入れやすい方法があります。
小松菜やチンゲン菜などの青菜類も、カルシウムを含む食品です。炒め物、味噌汁、スープ、和え物などに使いやすく、野菜不足が気になる方にも取り入れやすいでしょう。
乳製品が苦手な方でも、大豆製品や青菜類を組み合わせることで、カルシウムを含む食品を日常的に取り入れやすくなります。
ビタミンDやたんぱく質も一緒に意識する
骨や歯の健康を考えるときは、カルシウムだけでなく、ビタミンDやたんぱく質も意識したい栄養素です。
ビタミンDは、魚、きのこ類、卵などに含まれています。日光を浴びることによって体内で作られることもあります。
たんぱく質は、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに含まれています。妊娠中は、カルシウムだけでなく、体を作る基本となるたんぱく質も大切です。
たとえば、魚と野菜の献立、豆腐と青菜の味噌汁、ヨーグルトと果物、卵と野菜の料理など、複数の食品を組み合わせると、栄養の幅が広がります。
カルシウムを意識する場合も、ひとつの食品や栄養素に偏らず、食事全体のバランスで考えることが大切です。
カルシウムサプリを使うときの注意点
妊娠中にカルシウム不足が気になると、カルシウムサプリを使いたくなることがあります。
ただし、サプリを使う場合は、自己判断で多く摂るのではなく、現在の食事内容や、ほかに使っているサプリとの重複を確認することが大切です。
妊婦向けサプリやマルチビタミンには、カルシウム以外にも葉酸、鉄、ビタミンDなどが含まれていることがあります。複数の商品を併用すると、特定の栄養素が重なる可能性があります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の策定ポイントでは、妊婦のカルシウム付加量について、非妊娠時と比べて腸管でのカルシウム吸収率が増加することなどから、付加量は設定されていないと説明されています。
これは、妊娠中にカルシウムを意識しなくてよいという意味ではありません。日々の食事で不足しがちな場合は、食品からの摂取を見直し、不安がある場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
妊娠中の食事はひとつの栄養素だけで考えない
妊娠中は、葉酸、鉄、カルシウムなど、さまざまな栄養素が気になります。
しかし、ひとつの栄養素だけを多く摂ればよいわけではありません。
カルシウムを意識する場合も、主食、主菜、副菜を整え、たんぱく質、野菜、果物、乳製品、大豆製品などを組み合わせることが大切です。
また、つわりや体調不良がある時期は、食べられるものが限られることもあります。その場合は、完璧を目指しすぎず、体調が落ち着いているタイミングで少しずつ整えていきましょう。
食事やサプリについて迷う場合は、妊婦健診のときに医師や助産師へ相談しておくと安心です。
まとめ
妊娠中は、カルシウムも意識したい栄養素のひとつです。
カルシウムを含む食品には、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、大豆製品、小松菜などの青菜類があります。
ただし、赤ちゃんの骨や歯の健康を考えるうえでは、カルシウムだけでなく、たんぱく質、リン、ビタミンA・C・Dなどを含む食品をバランスよく摂ることも大切です。
カルシウムサプリを使う場合は、ほかのサプリとの重複に注意し、自己判断で増やしすぎないようにしましょう。
妊娠中の食事は、ひとつの栄養素だけでなく、食事全体のバランスを見ながら整えることが大切です。不安がある場合は、医師・助産師・薬剤師などに相談してください。
本記事は、妊活中・妊娠中の食事や栄養に関する一般的な情報をまとめたものです。体調や持病、服薬状況、妊娠経過には個人差があります。不安がある場合は、医師・助産師・薬剤師などの専門家に相談してください。

